英語学習法 ~4技能別学習法「聴く・話す・読む・書く」~ - 外国語(英語、諸外国語)の総合コンサルタント 東京外国語センター

2025.08.19

英語学習法 ~4技能別学習法「聴く・話す・読む・書く」~

英語力向上のための4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)別の具体的な学習法を紹介します。ここに取り上げる学習方法はあくまで最大公約数的な学習方法です。誰にでも役に立つはずですが、誰にでもぴったりと当てはまるものではないはずです。この中からあなたの信じる英語習得方法を見つけて継続してください。「継続は力なり」です。

英語学習法

1. ネイティブスピーカーがネイティブスピーカーに向けて話す英語を聞く

ネイティブスピーカーが話す英語だからと言って自然な英語とは限りません。彼らが日本人に向けて話す英語は、不自然にスローダウンされた英語である場合が多いのです。このような加工された英語ばかり聞いても自然な速さで話される英語を聞けるようにはなりません。お勧めは海外の定時ニュースや2カ国語放送のニュースなどです。皆さんは社会人として新聞を読まれており、ニュースの背景知識を既にお持ちですから、英語ニュースを理解しやすいのです。

ニュースに慣れてくれば映画やテレビドラマに挑戦するのもよいでしょう。口語表現がふんだんに使われていますのでニュースよりも難しく感じると思います。

2. 文字を見ずに英語を聞く

日本の学校教育でも英語を聞くということに力を注ぎはじめていますが、まだ、文字を見ればわかる簡単な単語さえ聞き取れないという状況が、多くの学習者に見られます。この状況を打破するためには、文字に頼らず音声だけで英語を理解する訓練が必要です。『CNN English Express』(朝日出版社)のように、ほとんどの英語月刊誌には音声とそのトランスクリプトが付いていますので、確認作業を行うのにたいへん便利です。決して初めからトランスクリプトを見ながら聞くようなことはしないでください。最初はあまり理解できなくても、音声だけを頼りに英語を聞く練習を続けていくうちに、リスニング力は確実に高まっていきます。

3. 英語の発音(特に米国英語)の4つの重要なポイントを自分のものにする

ポイント1:アシミレーション(スラー・リエゾンとも言う)に慣れる

2語以上の単語がくっついたり、重なったり、脱落する現象をアシミレーションと言います。例えば、ビートルズの名曲“Let It Be”の発音は、決して「レット・イット・ビー」ではなく、「レリビー」となります。また、短い文章では、“Is it ok?”は「イズ・イット・オーケィ?」ではなく、「イジロケィ?」となります。このアシミレーションに慣れましょう。

ポイント2:アクセントのないT音は限りなくR音かN音に近づく

例えば、Photographは「フォトグラフ」ではなく、「フォログラフ」に変化しますが、Photographerは第一アクセントがT音の部分にありますので「フォトグラファー」のままです。また、twentyは「トウエンティ」ではなく、「トウェニー」とT音がN音に変化します。ポイント1の“Is it ok?”のitとokのT音がR音に変わり、更にOとアシミレートして「ロケィ」になります。

ポイント3:日本や韓国にない母音や子音に慣れる

andは、「アンド」ではありません。「エン」か「エアン」です。また、theは「ザ」ではなく「打」です。これまでの経験上、英語学習者が最も聞き取れない英単語の上位の一つがthatです。上下の前歯に軽く舌先を挟んで発音する「打ッ」が正解です。これらの発音は日本にはないものなので、聞き取り難いのですが、慣れないといけません。

ポイント4:中学で習う最も基本的な英単語の間違って覚えた発音の矯正

ポイント3とも深く関連しますが、私たち日本人が一番苦手な聞き取りは、何も難しい英単語ではありません。andやthe やthatやit、またwithなどが最も苦手なのです。もう一度中学の基本英単語をおさらいしましょう。繰り返しになりますが、andを「アンド」と覚えていては、いつまでたっても「エン・エァン」という発音は聞き取れません。これは意外と落とし穴になっています。中学の英単語と思わずに、しっかり取り組みましょう。

以上、4つの重要なリスニングのポイントを、しっかりものにしていただければ、リスニング力やTOEIC®テストの得点アップに大きく貢献してくれるはずです。

1. 英文を音読する

日本にいながらスピーキング力を伸ばす最も効果的な方法が音読です。英文を声に出して読むことによって、目で英語を読み、口で英語を話し、耳で英語を聞くという作業が同時に行われます。体の3つの器官を同時に使うので、音読した英文が黙読した場合(目で英文を読むだけの場合)に比べて記憶に定着しやすいのです。

音読のポイントは意味のわかる英文を大きい声ではっきりと発音するということです。意味のわかる英文を実際に使えるようにするための訓練なのです。意味のわからない英文を音読しても効果的でありません。

教材は何でも結構です。ご自身の興味のある題材を選ぶことをお勧めします。音声があるものだと、音声を使いながらリピート練習を行い正確な発音も身につけることができます。

2. 基本構文を身につける

スピーキングの基礎として基本構文を身につけることは必須です。音読の効果として構文が定着しますが、音読の前提として構文の基礎知識が必要です。基礎構文に自信がない方は高校生用の文法書で結構ですから一冊読み通してください。

3. 実際に英語を使ってみる

音読で身につけた英語を実際に使ってみることにより更にその英語が定着します。次にその英語を応用して使ってみることにより、使える英語の幅が広がります。失敗を恐れず積極的に英語を口に出してみてください。英語がすらすら出てこない場合は、更に音読に取り組む必要があるサインだと思ってください。

1. 英文を多読する

リーディング力を高めるにはできるだけ多くの英語を実際に読むことが必要です。多く読むことによって速く読めるようになります。新聞、雑誌、ペーパーバックなど自分が興味のあるものなら何でも結構です。

リーディングのリズムを保つために辞書はキーワード(その単語がわからないと全体の意味がわからない単語)のみに使用するようにしてください。知らない単語の意味を文脈から推測することも、リーディング力を高めるために重要なことです。一通り読み終えた後で、気になる単語の意味を辞書で調べることは大いにお勧めします。

また、できるだけ英英辞典を使用するようにし、単語の意味を調べる際に英語を読まなければならない環境にすることも効果があります。『LONGMAN DICTIONARY OF CONTEMPORARY ENGLISH』がお勧めです。全ての単語が基本2000語で定義されているため、英語学習者が単語の定義を理解しやすくなっています。

お勧めのリーディングマテリアルとしては、『The Japan Times Alpha』などの週刊英字新聞(日本語の注釈付きなので辞書なしで読むことが可能)やOxford Bookworms(レベル毎に語彙数が決まっている読み物、Starter~ステージ6)などがあります。

2. 文法知識を確実なものとする

英文を読むためには文法知識が不可欠です。文法知識が不足していると英文の理解度も英文を読むスピードも落ちてしまいます。文法に自信がない方は高校生用の文法書で結構ですから一冊読み通してください。そうすれば自分の弱い項目が分かってきますので、その部分の学習に力を入れてください。文法はリスニング、スピーキング、リーディング、ライティング全ての基本なのです。

1. 英作文は英借文

ライティング力を高めるには使える英文をできるだけインプットしておくことが必要です。必要な時にそれらの英文を引き出せるようにしておくのです。ある英語の大家が語ったように「英作文とは英借文」なのです。では英文をインプットするためにはどうすればよいのでしょうか?答えは英文を多く読むことです。良い英文を読まずして良い英文を書くことはできません。英文のインプット効果を高めるためには、英文を読むだけでなくその英文を書き写してみることをお勧めします。書き写すことにより、その英文が記憶に定着する確率が高まるのです。

2. 英文を書く

英文を読むことによって英文を書く能力を高めることができるのは、述べたとおりですが、ライティング能力を更に高めるためにはやはり実際に英文を書くことが必要となります。仕事で英文を書く必要がある方はともかく、英文を書く機会が無い方については英語で日記をつけることをお勧めします。書く相手がいなくてもできるのがメリットです。最初は自分の身の回りのことを中心に書き始め、慣れてきたら社会の出来事について書いてみてください。自分の意見を書けるようになってきたら続けることが楽しくなってきます。

3. ネイティブスピーカーのチェックを受ける

機会があれば、自分が書いた英文をネイティブスピーカーに見せてチェックしてもらうことをお勧めします。文法的に正しい英文であってもネイティブスピーカーから見ると不自然な英文が数多くあります。

おわりに

最後にもう一つ。外国語学習の本来の目的は外国語を使って海外の人々とコミュニケーションをとることです。その本来の目的に近づいた時の「楽しさ」を常に頭に浮かべて学習してみてください。英語学習が楽しくなるはずです。

TCLC「TOEIC®対策 TOEIC®100点アップの学習法」より抜粋